歯周治療

PERIODONTAL TREATMENT

歯周治療の重要性と全顎治療

口腔内の疾患、特に歯牙と顎骨の問題では歯周病のことを避けて通ることが出来ません。例をあげると、顎骨は大地、歯槽骨は家の土台、歯は家に例えられます。むし歯や審美治療は家そのものの修理にあたり、歯周病とは、歯を支えている土台と大地の病気です。土台や大地がぐらぐらしている状態で豪邸をたてても、傾いたり崩れたりするのは明らかです。当然しっかり噛むこともできませんし、むし歯を治療して冠を被せたとしても長持ちせず、また新たな疾病を呼び込むことになります。 私たちは、歯を支える歯肉の部分とかみ合わせがきちんと整備されている状態をめざし、長期にわたって噛むことができる状態を実現していきます。ですから、むし歯の治療で来院された場合でも、そのむし歯だけの治療にとどまらず、かみ合わせは大丈夫か、土台の部分で歯周病が進行していないか、しっかりと見極めます。

健康な歯周組織と、歯周病のものを比べてみましょう。 歯周病が進行していくと、歯肉の腫れ・出血・歯がグラグラしてきます。

歯周病の原因は歯垢の中の細菌群

私たちの口の中には、500種類以上の細菌がすみついています。きれいにケアができている人でも500億個、多い人は2000億個、不潔にしていると1兆個にもなります。歯周病の原因となる細菌もその中にあります。口の中の細菌はぬるぬるしたバイオフィルムという集合体になって、歯や歯肉などに強固にくっつき、うがいでは除去できません。歯周病原菌は毒素を出し、歯肉に炎症をおこします。また、歯を支えている歯槽骨を徐々に溶かしていくため、歯がグラグラになり歯を失います。

歯周病による全身疾患への悪影響

歯周病は歯の組織だけでなく全身のさまざまなところに影響を及ぼすとされています。歯周病は以下のような疾患の“リスクファクター”つまり、原因の一因となるという報告があります。つまり、歯周病を予防することは、全身的な健康にもつながるのです。
  • 狭心症・心疾患
  • 糖尿病
  • 胎児の低体重・早産
  • 骨粗鬆症
  • 肺炎
  • 動脈硬化

歯周病の基本的な治療方法

歯みがきの改善とプラーク・歯石の除去が歯周病の基本的な治療方法です。

歯周組織検査

歯肉の状態を把握するために、パノラマレントゲン、歯周組織検査、口腔内写真などの検査を行います。

ブラッシング指導

歯周治療の第一は歯みがきの改善(プラークコントロール)です。 歯科衛生士が患者さんのお口の状態・生活スタイルに合ったブラッシング方法を説明します。

スケーリング・ルートプレーニング

専門の機械を使用して、歯に付着した歯石の除去し行ないます。 歯肉の状態に応じて、歯石除去を行います。

歯周外科治療

進行した歯周病だと、基本歯周治療だけではなく外科的治療が必要となります

フラップ手術

器械や器具を使って歯石とりを繰り返し行って、歯肉の状態の改善をはかっていきますが、それでも歯周ポケットが深く炎症が残っている場合は、フラップ手術という処置を行ない、健康な歯肉を取り戻します。フラップ手術では、歯を支える骨が溶けてしまったり、深い歯周ポケットの中にしっかりと歯石がへばりついてとれない時に、歯肉そのものを切開して、歯石や病巣を除去する治療法です。

歯周組織再生療法

歯槽骨の溶け方が激しい場合には、人工骨移植法・人工骨埋入法・組織再生誘導法(GBR法)・エムドゲイン等を用いて歯周組織の再生療法をおこないます。詳しくは、審美歯科のページをご覧ください。

その他の歯周外科治療

その他にも、歯周外科治療として、新付着術(ENAP)・歯肉修正術・歯肉歯冠側移動術・歯肉根尖側移動同術・歯肉弁側方移動術・遊離歯肉移植術・結合組織移植術など、患者さんの状態に応じて施術しています。

メンテナンス

歯周治療は、根気よく治療を進めることが必要であると同時に、 せっかく改善した歯肉の状態を維持するために、 定期的なメインテナンスを受けることが重要になります。 私たちと一緒に頑張りましょう!