顎関節症

TMJ ARTHROSIS

あごが痛い、口が開かない、噛むとほっぺたが痛い、肩こり、頭痛がする、といった症状がみられると、顎関節症かもしれません。顎関節症の原因は様々であり、原因に応じた治療が必要となります。診断は、触診、咬合診断、パノラマエックス線写真、CT、顎関節パノラマ撮影、MRI、顎運動検査で行います。

マウスピースによる治療

プラスティック製の着脱可能なスプリントとよばれるマウスピースをお口のなかに入れることによって、顎関節症の症状を和らげます。顎関節・関節円板・筋肉の安静、歯ぎしりや喰いしばりによる過剰な負荷の予防、咬合の安定化、現在の噛み合わせによる悪習癖の修正の治療に使用します。また、治療のみでなく、顎位の診断、顎関節の診断などを目的に使用することもあります。スプリントの形や使用時間は患者さんの症状に応じて異なります。

理学療法

顎関節症には、様々な原因がありますが、咀嚼筋などの筋肉の緊張が原因となっている場合があります。そのような患者さんの場合には、低周波治療を行います。マイオモニターと呼ばれる機械を用いて、筋肉をリラックスさせることにより、咀嚼筋の緊張をとり、顎関節症の症状を和らげます。

顎運動の訓練

顎機能訓練は、顎の動かしかたを練習することによって、顎に負担のかからない噛み方を習慣づけ、顎関節症による痛みを和らげる治療法です。顎機能訓練を行うことで、口を大きくスムーズに開けられるように、あごが前後左右になめらかに動かすことができるように、さらに顎関節の可動域を増すように、患者さん自身に練習していただきます。顎関節、咀嚼筋のマッサージやパタカラという装置を使用し、口輪筋のトレーニングをします。また、歯科医師があごを動かすことにより、開口訓練を行うこともあります。

お薬による治療

顎関節痛・筋肉痛に対しては消炎鎮痛剤の処方により、痛みを軽減する処置を行います。あくまで対症療法ですので、根本的な解決にはなりません。

定期的なケア

これらの治療に加えて、ホームケア・セルフケアについての指導や定期健診を行います。
顎関節症が重症で、その症状が長期にわたるときは、まれに手術などの外科的 治療法を行った方が早期に顎機能の回復をはかることができる場合があります。また、精神的要因が強く影響していて、一般的な治療の効果がなかなか現 れない場合があります。このような場合は、様々な外科的治療が可能な施設・ 病院や専門医をご紹介いたします。